続 よくある質問

 

よくある質問(運転代行全般について)

 

 

 なぜ運転代行料金は各社で違うのですか?

 

運転代行業を営むにあたっては、事前に「自動車運転代行業約款」を定めて営業所に掲示しなければなりません(法13条)。事業者各社はこの約款を国土交通大臣に届け出をする必要があるのですが、約款の中に【料金に収受に関して国土交通省令で定めるものが明確に定められていること】という内容の条文が必ず書かれていなければならないのです。これをかみ砕いて簡単に言うと、「料金表を作って事務所に掲示して、その料金表通りに営業しています」ということを約款(お客様との契約条項)に入れなさいよ~ということなのです。

運転代行料金自体は、自由競争の原則から各社が自由に設定することができ、料金表にして事務所に掲示すれば国土交通大臣に届け出たことになる「届出制」なので、各社で料金が違うのはごく当たり前のことなのです。

 

参考までに、よく比較される「タクシー運賃」ですが、地域により自動認可運賃制度という国土交通省による「認可制」、または公定幅運賃制度という「届出制」を採用しておりますが、ともに国土交通省が道路運送法に定める運賃基準の上限と下限を示して、その間から運賃を決める方式になっています。例えば上限730円~下限650円ならば、その間の金額なら自由に設定できるのですが・・・何故か各社が上限に合わせる傾向があるため(笑)、前述の場合なら各社が揃って初乗り730円で営業するので利用者からはタクシー運賃が統一されているように見えるだけなのです

 

 

 

 タクシーより安いという宣伝する運転代行社って?

 

タクシー運賃について、国土交通省が「道路運送法に定める運賃基準」の上限と下限を示して、この間から運賃を決める方式との説明させていただきましたが、ここでいう運賃基準の算出方法はいわゆる「原価積み上げ方式」と言うものを採用しています。

タクシー事業を営むにあたって必要な経費を考えますと、人件費+燃料費+車両修繕費+車両償却費などがあり、さらに会社が事業として成り立っていくための適正利潤をすべて積み上げていった金額が原価となります。ここから割り出した上限、下限運賃の間から料金設定をしなさいよ~ということで決まった運賃なのです。

 

これを踏まえて、2人1組で行う運転代行のおじさん達と、1人で頑張って運転しているタクシー運転手さん、どちらの会社が働いている人のために人件費をたくさん払っているか、小学3年生でもわかる話ですね。1台の車両を動かすのに、かかる人員が1人か2人かという単純かつ明快な話です。原価を積み上げる最初の段階ですでに結論が出てしまいました。タクシーより安いという運転代行は単純に考えてあり得ないということになります

実際にタクシーより安いという会社があったとしたら、そこには何らかのコンプライアンス違反があるのかもしれませんね。利用者の方は、「代行料金が安いけど、まさか無保険じゃないよね?」と尋ねてみるのが良いと思いますよ。

 

 

 

 運転代行のフランチャイズって儲かりますか?

 

フランチャイズとは、主に自己の商標や商号使用させる側が、対価としてロイヤルティーを受け取るビジネス形態です。運転代行事業者がフランチャイジーを募集する理由として、リスクを最小限に抑えたうえで安定した収入を得るシステムを作ろうとすることがほとんどです。フランチャイジーが自らの生活のために必死に顧客開拓をしてくれるわけですから、こんなに楽なことはありません。

運転代行業界において、このようなシステムを構築しようとする事業者は後を絶ちませんが、実際のところ、このようなシステムは自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律第10条の「名義貸しの禁止」に抵触する可能性が高く、違法との認識が一般的です。中小企業庁が発行しているフランチャイズに関する注意喚起のパンフレットによれば、本部と加盟店はそれぞれ「独立した事業者」であるとしっかり記されています。つまり、売上管理をフランチャイジーに任せるわけですから、都道府県公安委員会より認定を独自に受けていない者に自己の商号を使わせる、まぎれもない名義貸しと言えます。

 

似たようなもので「業務委託」というものがあります。自社で電話受注した運転代行の仕事を、業務委託契約した者に自社の随伴用自動車を貸し出す形で仕事をさせるというシステムですが、業務委託契約した者が個別で売り上げ管理をしている場合、上記同様に(法10条)に抵触する可能性が高くなります。また、業務委託を受けた者が、この運転代行事業者から「業務委託費」名目で金銭を受け取った場合、当然ながら確定申告が必要になります。確定申告では、給与所得ではなく営業等による収入になりますので、これが事業収入であることが明白になります。認定を持たない者が認定を必要とする事業で収入を得る、かなりのグレーゾーンと言えるでしょう。さらに、自社の従業員(アルバイト)と同様の業務を行い、業務委託という名前で仕事をしているのなら「偽装請負」という全く別の角度からの問題が起こりそうです。

各都道府県警察によっても、業務委託は法第10条違反という見解もあるようですので、フランチャイズともども注意が必要です。

 

 

 

 安心して利用できる、運転代行会社の見分け方ってありますか?

 

各都道府県公安委員会から認定を受けている事業者は、それぞれ「認定番号」が付与されています。この認定番号が確認できない事業者は「モグリ」の事業者ですから、絶対に利用してはいけません。当然、万が一の時のお客様に対する補償なんてあるはずがありません。まずは、ここが大前提となります

次に、この認定番号の他、認定した公安委員会や事業者名などを代行車(随伴用自動車)の両サイドに国家公安委員会規則で定める通りに表示する義務があります。表示方法は文字の大きさにとどまらず、カッティングシートやペイントなどで容易に着脱できない方法、ならびに利用者に見やすい表示が必須です。利用者に見やすい表示とは、車体と同系色の文字色を使用するような、わざと読みづらい表記してはいけないということです。単純に、運転代行事業者として堂々と表示することのできない運転代行業者は選ばないに越したことはありません。

保険(共済)などの補償については、スタッフに尋ねるとすぐに説明してくれますが、安心して利用できる事業者はお客様向けに補償内容を記した書面を用意しています。ぜひ請求してみてください。

 

ここまでは運転代行事業者が最低限行っていなければならない内容ですが、あえて次に挙げるいくつかのポイントをチェックをしてみてください。

 

①オペレーターから伝えられたおおよその到着時間よりも連絡なく(5分以上)延着する(時間に対する感覚が鈍い)

 

②ドライバーに落ち着きがない。次の仕事を気にしている。焦っているように見える。

 

③ドライバーが一言も喋らない。眠そう。疲れているように見える。

 

 

これだけでもかなりの振り分けができると思います。ぜひ参考にしてみてください。